オープニングを飾るスピードチューン"City Of Lights"、中盤の核となり今作のハイライトでもある
"Where Do We Go From Here"、エンディングを締めくくる"Remember
Me?"など
哀愁メロを基盤としながらもエッジを効かせつつ、サビでの重厚コーラスとで高揚感を演出する
ドライブ感のある佳曲が多いです。
特に"Where Do We Go From Here"はサポートのAndersによる北欧的なメロディエッセンスと
元来の英国風の哀愁メロディが見事に化学反応を起こしたキラーチューン。
事前にESCAPE MUSICのコンピレーション作品で聞いていた"Man In The Iron
Mask" の印象から
想像していた通りのサウンドスタイルだったので安心したというのが正直なところでした。
全体的な印象としてはバッキングはスティーヴのギターを中心に
多少ハードでありながらしっかりとクリスのヴォーカルが中心に据えられているサウンドで、
この作品でHEARTLANDのサウンドはある意味しっかりと確立された感がありますね。
それとインストを収録曲の中に含めていることでもHEARTLANDというユニットにおけるスティーブの占める割合が大きくなってきたという感も。
前作では収録曲中の前後半のポイントとなる訴求力のある楽曲が配置され、
それに伴って作品自体一段階レベルが上がったところを聴かせてくれていましたが、
今回の作品では、いわゆる決め曲となるであろうメロディの突出した楽曲がないかわりに収録曲のどれもがコンパクトながら、構成・アレンジに関しては今までよりももう一段レベルがあがったという
印象が強いです。
それに関しては新しいリズム隊による躍動感の演出、全面的に参加のCHANGE OF HEART の
ポール・チャップマンのキーボードサウンドによる適度な味付けによるところが大きいのはもとより、
前作ぐらいから顕著になってきたスティーヴ・モリスのプレイもさらに磨きがかかって、
ギタートーンを絶妙にコントロールしつつも、印象的なフレーズをビシバシと決めてくれていることも大きな要因としてあげることができるのではないでしょうか。
オープニングのバッキングのハモンド風キーボードが印象的なドライブ感のある
"Imagine My Surprise"や、今までにない思わず一緒に歌ってしまいたくなるような
サビメロを聴かせてくれる"The Best Of Times"あたりが特に目立つという感じですが
ファンからすると作品自体に深みがあってHEARTLANDらしい作品という印象が残って満足のいく
仕上がりではないでしょうか。